ファンデーションOEMの基礎|製造先選定のコツとは?

ファンデーションは化粧品のなかでも特に重要なアイテムです。最近では化粧品ブランドがOEMを活用してオリジナルのファンデーションを開発するケースが増えています。
OEMを活用すれば、自社で製造設備を持たなくても理想のファンデーション開発が可能です。
本記事では、ファンデーションのOEMについて、商品開発のポイントからOEMメーカーの選び方まで、詳しく解説します。これからOEMでファンデーションを開発する方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ファンデーションのOEMとは
OEMは「Original Equipment Manufacturer」の略で、自社ブランドではなく他社ブランドの製品を製造する仕組みを指します。
例えば、化粧品ブランドが特定の成分や品質のファンデーションを開発したいものの、自社に製造設備がない場合に専門の製造企業へ生産を委託することがあります。この生産を請け負う企業がOEMメーカーです。
近年、化粧品分野のOEM市場は活発化しており、さまざまなファンデーションがOEMで生産されています。 ただし、OEMメーカーごとに得意な剤形・技術・対応可能な製品領域が異なるため、目的に応じた適切な選定が重要です。
ファンデーションOEMの前に押さえておきたい4点
OEMメーカーの相談前に、商品の方向性をある程度決めておくことが重要です。ファンデーションと一口にいっても種類はさまざまです。メーカーへの問い合わせ前に決めておきたいファンデーションの仕様は以下4点です。
押さえておきたい4点
ファンデーションの種類
ファンデーションには4種類の剤形があり、それぞれに独自の使用感と特徴があります。ターゲット層やコンセプトに適したファンデーションの種類を選択します。
パウダーファンデーション
パウダータイプのなかでも、粉がバラバラな状態のルースパウダーと、粉を圧縮して固めたプレストパウダーの2種類があります。近年ではプレスパウダーのほうが多く製造されていますが、パウダーファンデーションはパフを同封するのが一般的なため、パフの種類の検討も必要になります。
リキッドファンデーション
チューブ容器に入った流動性のあるファンデーションです。扱いやすく、マット感があってカバー力も高いことから、OEM製造でも人気があります。特に30~40代の方に人気のタイプです。
クリームファンデーション
クリームファンデーションは、油分を配合した保湿力の高いファンデーションです。高いカバー力と保湿力を両立させた特徴を持つ化粧品として知られています。
クッションファンデーション
クッションタイプは、パウダーとリキッドの中間的な液体状です。専用パフで簡単にメイクができ、下地を省略できて使い勝手が良いことや、美容成分が配合されておりメイクをしながらスキンケアができることが魅力となっています。韓国発コスメとして近年話題となっていますが、カバー力の高さと手軽さから幅広い世代に支持されています。
ファンデーションの質感
ファンデーションは理想の肌を叶える化粧品のため、仕上がりの質感が重要なポイントです。仕上がりはツヤとマットの2種類に分類できます。
ツヤ
肌に透明感と潤いをもたらす仕上がりが特徴です。若々しい印象を演出したい方や自然なメイクを好む方に適しています。リキッド・クリーム・クッションタイプのファンデーションが適しています。
マット
光沢を抑えた上品で落ち着いた仕上がりを実現します。サラサラとした手触りで、化粧持ちの良さが特徴です。パウダータイプのファンデーションが適しています。
カラーバリエーション
多様な肌色に対応するため、豊富なカラーバリエーションの確保も重要です。自社の商品展開の方向性やターゲット層を考慮し、適切な色数を設定します。ファンデーションの色は一般的に、「色相」と「明度」の2つの軸で分類されます。
色相
標準色から赤みや黄みの色調を表現します。一般的にオークルを標準色として採用し、企業独自の色相名をつけています。例えば、資生堂では、4段階の色相(ピンク・ピンクオークル・オークル・ベージュオークル)を展開しています。
明度
色の明暗の幅を表現します。例えば、大手化粧品メーカーでは5段階(00から40)で明度を設定しています。
付帯させる機能
ファンデーションは日常的に使用する化粧品として、高い機能性が求められています。カバー力や化粧持続力に加え、紫外線防止や美白などの付加価値機能も重要な開発ポイントとなっています。商品開発では、重点を置く機能を明確に定めることが大切です。
ファンデーションOEMのメーカーの選びのポイント
OEMはスピーディーに商品開発ができる手段ですが、自社の製造したい商品にあったメーカー選定が重要です。ファンデーションOEMにおけるメーカー選定のポイントとして以下の4つを紹介します。
ファンデーションOEMのメーカー選びのポイント
ファンデーション製造の経験が豊富か
化粧品OEMメーカーには、それぞれ得意な分野と苦手な分野があります。メイクアップ商品に強い企業もあれば、スキンケア商品を専門とする企業もあります。多様なファンデーションを手がけ、豊富な製造実績を持つ企業を選ぶことが重要です。価格の安さだけで決めると、製造経験の不足により品質トラブルが発生するリスクが高まります。
希望の剤形が製造可能か
一口にファンデーションと言っても、前述したように種類がさまざまです。化粧品に特化したOEMメーカーであれば、パウダーファンデーションは対応していることが多いですが、そのほかの剤形は対応していない場合もあります。また、実は取り扱っていても、HPのサービスページが更新しきれていないこともあります。めぼしい化粧品OEMメーカーをいくつかピックアップしたら直接問い合わせることをおすすめします。
適した技術を持っているか
ファンデーションには、色味・テクスチャ・カバー力・持続力など、多くの要素が求められます。さらに、肌に優しい高品質な原料や成分の選定も欠かせません。そのため、ファンデーションOEMには高度な技術力が求められます。
また、特徴的な機能を打ち出したいときはOEMメーカーが実現できる技術力を持っているかの確認が必要です。メーカーごとに得意とする技術が異なるため、あらかじめコンセプトを具体的に固めた上でメーカーを選定することが望ましいです。
サポート範囲はどこまでか
化粧品開発では、製品の品質に加えて容器の機能性とデザイン性も重要です。企画提案から容器開発、アフターフォローまで、OEMメーカーのサポート範囲を事前に確認することで、スムーズな開発プロセスを実現できます。
ファンデーションOEMに強いMiyauchi
Miyauchiは昭和23年創業の歴史ある化粧品OEMメーカーです。処方開発から容器製造まで一貫した生産体制を確立し、理想のファンデーション開発をサポートしています。
多色同時充填設備によって、高品質・低単価を実現
ファンデーションは、さまざまな肌の色に対応するために、複数の色味で展開されます。
従来の製造方法では、それぞれの色のファンデーションを、別々の工程で容器に充填する必要がありました。 例えば、明るいベージュ、標準的なベージュ、濃いめのベージュの3色を製造する場合、3回に分けて充填作業を行う必要がありました。
しかし、弊社では多色同時充填が可能な設備を持っているため、複数のファンデーションを1回の工程で同時に充填できます。これにより低価格でファンデーションを提供できます。
自社による一貫した製造体制
原料研究から容器開発、量産体制の確立まで、全工程を自社で完結させています。各部門の専門知識を統合し、独自性の高い商品開発を実現します。容器開発では、美しさと機能性に加え、使用感まで考慮した設計を行います。自社製造設備の活用により、革新的な容器デザインの開発も可能です。
国際基準に基づく品質管理
品質管理部門は独立組織として、国際規格ISO22716(化粧品GMP)に準拠した管理システムを構築しています。原料入荷から製造工程、出荷までの各段階で厳密な品質検査を実施。消費者視点での品質確認と製造者視点での改善活動により、高品質な製品を適正価格で提供しています。
まとめ
ファンデーションOEMは、自社が理想とする商品を効率的に開発できる手段です。 製品形状には、パウダー・液状・クリーム状・クッションタイプの4種類があり、それぞれ異なる特徴を持ちます。
OEMメーカーを選定する際は、製造実績・対応可能な形状・技術力・サポート範囲の確認が欠かせません。例えば、Miyauchiのように独自の製造設備と一貫生産体制を持ち、国際規格に準拠した品質管理を実施する企業もあります。
製品開発を進める際は、仕上がりの質感・カラーバリエーション・付加価値機能を明確にし、それらを実現できるOEMメーカーを選ぶことが重要です。